五十代からのチーズバーガー




自信はないが、おれの記憶が正しければ、ハンバーガー店ドムドムのパティは合挽であったように思う。

若かった頃、つまり1980年代の中頃は、よく仲間とドムドムでダベっていた。近くにマックもあったはずであるが、きっとドムドムのほうが安かったのであろう。三十年以上も前のことゆえ、もうその味は憶えていないのだけれども、頻繁に通っていたので、きっと不味いわけではなかったのであろう。

パティはビーフ100%が当たり前の今日であるが、では合挽パティがうまくないのかというと決してそんなことはない。逆に合挽のほうが牛のクセやパサつきもなく、食べ応えの割にサッパリとしていて、日本人向きではないかと思えるほどである。

まぁ、屁理屈をこいてもしょうがないので、実際に自分で作って食ってみるのがよい。牛100%パティをガスで焼くよりも、合挽でも、それを炭火で焼いたほうがうまい。もちろん牛100%パティを炭火で焼いて食ったこともあるのだけれども、何故か合挽のようなしっとり感は希薄になる。牛肉のコクと豚肉のシットリ感、いいとこどりが合挽であろう。

それはそうと、マックやロッテリア登場後の、1970年代のパン屋で売っていたハンバーガーは実にひどかった。

パティはほぼつなぎで肉感や歯ごたえはまったくなく、バンズの両面にマーガリンを塗り、薄いレタスが一枚、そしてほぼつなぎのパティ、その上にはピクルスの代わりに薄く切ったキュウリが一枚挟んであった。もう本当にどこまでも果てしなくチープであり、そして悲しくもあった。きっと甘食や三色パンしか作ったことのないパン屋主人が、マックのハンバーガーを見よう見まねで作ったに違いない。パティは今でいうところのレトロ自販機で買える、マルイケ食品やミトミのそれと似ているのであるが、とにかくピクルスではなくキュウリというのが、今思い出しても泣ける。もちろん、決して懐かしくてではない。

昨年夏に、合挽を「畜肉」とした動画「畜肉ダブルチーズバーガー」をYoutubeにアップしたが、酒のシメや二日酔いの朝にはチーズバーガーを食ったというアンソニー・ボーデインに捧げるという大義で、続編「畜肉プレミアムバーガー」というのも作ってみた。どちらも合挽に生ソーセージの中身を混ぜたパティであるが、これがなかなかうまいのであった。

とにかく、五十を過ぎても尚、大人としての自覚に欠けるおれであるが、少なくともガキの頃に憧れたハンバーガーを自分で作れるようになった点だけは、大人になったと実感したりするのであった。






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by rising_h | 2018-06-19 21:05 | 食い物 | Comments(0)